マイコン特集1 — ソフトとハードを融合するマイコンとは—
コンピュータメディアの特徴は,あるものを寄せ集めるのではなく,自分のアイディアでソフトとハードを融合して新しいカタチを自分たちの手で作る学科です.このことを知ってもらうためにもマイコン特集を連載したいと思います.1回目は『ソフトとハードを融合するマイコンとは』です.
秋も深まり,ファンヒータやエアコンなどの暖房機器が欠かせない時期になってきました.また最近では人の動きを察知して狙った所だけを暖めるような製品も登場しています.まずはみなさんに身近なエアコンを例に部屋を暖める仕組みを簡単に説明したいと思います.
最初に室温を23℃に設定したとします.エアコンは「温度センサ」を使って室温を計測し,設定温未満だったら「温風強」で部屋を暖めます.その後,「温度センサ」が23℃となった時に,「温風弱」にして,設定温を保つように動作します.

さて,室温を測計測して温風を強くしたり,弱くしたりする仕組み,誰が指示を出しているのでしょうか?その正体は「マイコン」と呼ばれる半導体のチップです.
「マイコン」はマイクロコンピュータ(micro computer)の略で,人間で言うと「脳」に当たる部分です.マイコンは外部からの信号を受け取る「入力ポート」,制御対象に信号を送る「出力ポート」,設定値や処理の手順である「プログラム」を保存しておくための「メモリ」,そしてこれらの仲立ちをする「中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)」から構成されます.

「マイコン」は,ソフトウェアであるプログラムに従って,ハードウェアである温度センサから情報を得てファンを制御する装置です.「マイコン」はハードウェアとソフトウェアを仲立ちするモノであり,ソフトとハードを融合した新たなカタチを具現化するための強力なツールであると言えます.
「マイコン」の種類は多種多様です.例をあげるとルネサスエレクトロニクス社のH8やMicrochip社のPICなどが有名です.
次回からは,マイコンの特徴を説明しながら,マイコンを使って一緒に何かを作ってみたいと思っています.次回のマイコン特集2を楽しみにしてください.
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